2022年12月10日 [渋谷区の経営コンサル]
不安全行動について新たな視点
「不安全行動の防止対策」金塚憲彦著を読みました。
不安全行動について新たな視点を確認できました。
@不安全行動は不安全な行動により主に不安全な状態と重なる部分で災害は発生しますが、リスクアセスメント等で不安全な状態を設備的(メカ的)に先取り的に改善することはできますが、不安全行動は人に依存します。意図しないエラー対策にはメカ的対策は有効ですが、意図的なリスクテイキングにおいては、メカ的対策(安全装置など)を撤去するなどの不安全行動が散見され、メカ的対策は有効ではありません。 リスクテイキングはチャレンジと表裏一体です。リスキーな人を排除すると現場の改善活動は停滞してしまいます。チャレンジをしながらさらに頑張ってしまう行為がリスクテイキングであり、それは現場にひずみがあるからです。こにひずみを改善しようと努力した結果、リスクを個人的に負担することになります。いわば、作業環境の問題であります。やりにくい作業はつらい作業にはこのひずみがあるのです。ひずみは個人では解決できないものですが関係各所の協力を仰ぎ解決することで、スムーズな作業が図れ、生産性向上と安全性向上が得られることになります。
Aまた「心の天秤」のたとえから、従来の安全活動は左側に重りを乗せ危険行為にブレーキを効かせる行為とともに、新たな安全活動は右側のアクセル(現場のひずみからの危険な行為)を緩和する行為が重要と説明しています。いままでアクセルを緩和・軽減する思想が無かった私にとっては、安全と生産が両立する根拠をもたらしてくれました。ブレーキだけ効かせても、ひずみがある限りは安全行動がデメリットと感じ、リスクテイキングを止めることがっできないことを確認しました。
Bさらに認知的不協和(人は二つの矛盾があるとストレスを感じ、認知を変える)が現場のひずみにより、発生しアクセル(リスクテイキング)をさらに踏み込むことを確認しました。
以上3要素は今後の安全衛生活動に役立つ内容であり、既存の視点に新たな視点を加えることで幅広い提案ができるのではないかと考えます。