2022年12月29日 [渋谷区の経営コンサル]
デジタル人材がいない中小企業のためのDX入門
著者の長尾洋一様は、中小企業診断士であり、NIコンサルティングを経営されている。当社は順調に成長しており資本金も2億円をこえた。私は診断士を目指す前に長尾様の講演を聞いたことがあり、これがきっかけで診断士にチャレンジした経緯がある。
最近研修メニューの中で、DXに関連する要望が多くなってきたので、今後DX研修機会を享受するべく、まず当該書籍を購入した次第である。
ポイントは
1,デジタル活用の最大の価値は、コストダウンばかりでなく変動費用がゼロにできるために、売り上げ拡大・数量アップ・事業拡大に向けて限界利益を拡大できる点である。そのためには下記8つのDX戦略がある。
2,8つの戦略
1)デジタル人材を代替するノーコーダーを獲得する戦略
@DX人材に必要なことは、自社の業務を理解し戦略を設計する力と推進するリーダーシップにある。つま
りプ ログラミング能力ではない。
A中小企業にはプログラミング力人材を獲得する可能性が低いが、ノーコード(プログラミングせずシステム
構築可能)を活用
2)業務プロセスの効率化とスピードアップの戦略
@分散入力即時処理で意思決定スピードを上げる。(一人一人入力データーを集めて集計するシステム
構築)
3)会わずに売れる営業モデルを確立する戦略
@コロナ禍リアルコンタクトを減らしコンタクトレスアプローチを増やす。オンラインの最大のメリットは移動時間
の削減。
A見込客を増やすためにさまざなオンラインに営業アプローチを組み込む。
Bザイアンスの法則を活用→何度も接触すると次第に好感度・評価が高まる。
CSFAシステム活用で営業進捗度の見える化。個々の活動が組織全体のDBとなる。
4)顧客とのつながり強化でリピート獲得戦略
@変動費用ゼロのメリットを事業拡大以外に、顧客とのつながり強化に活用
A顧客生涯価値(LTV)を高める
5)テレワーク活用戦略
@どこにいても働く時間がズレても生産性が向上。
6)AI導入で働き手不足解消戦略
@ルールベースAIを活用してデーター蓄積し、企業に合った適切な処理を徐々に学習し精度アップ
A今から未来に向けてデーターをためる(データー蓄積は未来への投資)
7)フィードフォワードでビジネスモデルを変革する戦略
@過去から未来視点に変え、行動管理でなく先行管理へ
A目標値と実績値の事後ギャップでなく、予測値と目標値の事前ギャップを把握し問題を予防する。
8)人の力を最大化する省人化経営戦略
@社員を株主にする疑似株式会社化し他人事でなく自分事(種類株式を活用)
A社員がオーナー側に立つ。
B最終的にはデジタルという武器を手に入れ使いこなし、企業競争力を高めていくのは「人」
ITリテラシーの高い人材は希少であり中小企業には不足しているが、事業に精通している社員が自分事としてノーコード等を活用することで企業競争力を獲得できる。前向きに取り組むことで変革可能性が高まる。やはり組織の人材如何である。