2023年01月13日 [渋谷区の経営コンサル]
追記ROIC経営について
〜ROIC経営について追記いたします(ROIC経営実践編を読んで)〜
海外企業に比べて日本企業の事業収益性の差の乖離が長らく縮小しません。例えばROEに関して日本企業は9.3%、米国は18.3%、欧米は15.1%です。この要因は多少の財務レバレッジ要素はありますが(日本240%、米国280%)それ以上に利益率の要素が大きく起因しております。
日本企業は最近M&Aを積極的に展開しており、事業拡大・シェア拡大に奔走しておりますが、事業ポートフォリオの観点で見直しが図れておりません。このためかコングロマリット(事業の積み上げ)による収益性の罠はまっております。つまり事業セグメント数が多くなればなるほど予想PERが低下する傾向になります。このことはM&Aに際に米国企業は事業売却と並行して事業買収を行う一方で、日本企業は事業買収が圧倒的に多く、切り出しや売却が極めて少ない傾向にあります。要は事業の選択と集中が進んであらず、また経営ビジョンに即した事業ポートフォリオの見直しができていないことにつながります。
今後経営資源の最適配分を通じた企業価値向上、つまり投資を強化すべき事業の抽出と改善・改善を要求し撤退を検討すべき事業の抽出を図るために、ROIC指標を組み合わせた評価を行うことが企業の経営層に求められます。
撤退や売却は暗いイメージがありますが、事業ポートフォリオを見直して収益性を高め企業価値向上のための前向きな方策として認識する必要がありますね。