2023年04月08日 [渋谷区の経営コンサル]
デザイン思考を考える。
日本国内の新規事業の生まれる件数は海外先進国に比べ低い。これにはさまざまな要因が関連していると思われる。具体的には、国の支援悪により既存事業が衰退されずゾンビのように生き伸び新規事業展開が喚起されにくいこと、リスクを取りにくい環境(一度の失敗が許されない・復活できない)、失敗を認めない企業風土の存在などがある。しかしウイズコロナになり環境が大きく変化しており、VUCAといわれる複雑で曖昧な外部環境の中、既存事業の衰退や新たな環境への対応による新たな事業展開の必要性が感じられる。今後新規事業を展開される方々に対して提案したいのが、多様性や曖昧性に対応できるデザイン思考である。
デザイン思考は従来のマーケティングをさらに一歩深めた思考である。マーケティングは属性や購買履歴等過去のデーターからターゲットとなる顧客の平均像を抽出する。デザイン思考のターゲットとするペルソナはさらに踏み込み、自分たちの手でより詳細で具体的な顧客像を作り上げ、その人物の目線で製品・サービスの開発を進めることが可能となる。つまり人間中心の視点で、ユーザーを観察し、理解し、プロトタイプを使って試行錯誤を行う創造的な問題解決手法である。具体的なアイデアの源泉はユーザーの頭の中の無意識領域にあり明確な答えを有しておらず(ユーザー自身も言語化できていないもの)ヒントのみ有していることに着目する。
経済産業省で特許庁でもデザイン思考やデザイン経営を推奨している(ホームページに掲載)。企業の経営者や幹部にもこのデザイン思考を波及して新規事業(製品・サービス開発)の創出に役立てていただくことが重要である。私はそのためにも研修や講演を活用して広めてゆきたいと考えている。