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2022年10月06日 [渋谷区の経営コンサル]

安全工学に考え方と実践

義務教育から大学を通じて「安全」に対する体系的な教育科目はなかったように記憶しています。現在安全に従事しているものとして、最新の知識を補充するために各種の研修に参加していますが、非常にまとまっている本を見つけました。「安全工学の考え方と実践」中村昌充著です。
今後の安全に関する研修を行う上で参考になったポイントは
●事故原因調査により抽出された再発防止策は@RA(リスクアセスメント)KY(危険予知)を着実に実行すること、Aルールを遵守しルールを変更する場合は手続に図り実施することB情報を的確に伝達し関係者とコミュニケーションを図ること                                                      ●失敗学では失敗の原因は4%が未知、96%が新しい失敗でなく過去に起きた事例、多くの事故の背景には共通した問題があり、改善することで多くの事故を減らせる。                                    ●欧米では危害をなくすことはできないので、些細なけがは発生してもやむなしとし、重大事故は決しておこしてならないとする。日本は度数率(災害頻度)を欧米は強度率(災害重度)を重視する。                      ●イギリスの死亡災害は日本の1/4。なぜか。イギリスの安全管理者の教育時間は87時間以上(日本の職長教育は約12時間)また5人以上の企業にRAを義務化(日本は努力義務)《最近の死傷者数の下げ止まりを解決するためにはRA義務化とトップの率先垂範が重要。ですね。》                                  ●人間は危ないと思えば事前に備えをするが、危ないと思わなければ備えない《KYを愚直に実行することで危険感受性を高めることが重要ですね》
●事故原因調査は、@時系列の洗い出しA4M観点で整理B4E観点せ対策する。                        ●危険な状態とは今にも事故がきそうな状態でなく、事故は事故がおきる直前まで本人たちが大丈夫と思って作業しているところで起きている。                                                        
●イギリスは事業を計画した際は必ずRA実施状況報告を求められる《経営においてもリスクマネジメントの未然対策が施されていますね。》
●口頭連絡は書類連絡に比較し災害発生率は約2倍《一説によりと人間は一度伝えるだけでは忘れる、8回以上話して初めて伝わるそうですね。エビングハウスの忘却曲線でも20分後に46%、1時間後で57%の忘却のデーターが示されていますね》
●今後の中小企業に求められる安全は、経営トップの率先垂範の役割であり、@企業経営の最重要事項として位置づけA自らに安全管理を率先垂範しBRAの推進C人的・設備的資源の適切配分D関係請負人を含め安全管理体制の構築である。《元請けの保護対象がR5年4月より拡大します。契約関係の下請け関係者はもとより契約外の人々への配慮も求められますね》
●自動車事故の死亡者は約4000人/年。でもリスクを上回る生活の利便性があるので受け入れている《リスクを許容していますね》
●日本の安全対策費は製造コストに上積みされる費用と考え、欧米では製造コストの中に組み込まれている。《欧米では必ず必要な投資と考えている証ですね。》
●デュポンは安全に関するルール違反に対し解雇もありうるという厳しい姿勢で臨んでいる。
以上私の血となり肉となるようしたいセンテンスです。人間はミスをし忘れる動物ですが、挑戦します。

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