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2023年05月03日 [渋谷区の経営コンサル]
恐れのない組織(心理的安全性)
「心理的安全性とは、みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化である。」
このセンテンスは、経営全般と安全専門に携わる私にとって非常に心地よい響きをもたらすものでありました。
経営の観点から
心理的安全性の醸成されている組織は、失敗を報告し合い、失敗から学習が促進され、多様性の活用と失敗を恐れず絶えず挑戦することでイノベーションが創出されます。一方で醸成されていない組織は、多くのミスや失敗が報告されず学習をされず衰退する組織になります。ここには発言するリスクが内在し沈黙する文化が形成されています。
つい最近ダイハツの品質不正が明らかになり、トヨタもトヨタブランドとしてダイハツにOEM委託していたため、トヨタ全体の責任とする記事が掲載されておりました。おそらくダイハツ社内からの内部告発で明らかになった事態であり、ダイハツにおいて、常日頃、従業員から疑問や懸念が報告されず(トップ・管理者が聞く耳を持たない)心理的安全性の欠如として内部告発という形で表れたと想定できます。トヨタの佐藤社長は会見で、「心理的安全性も含め検証したい」と申しております。
安全の観点から
ヒヤリハット報告による危険情報は、リスク情報の共有化とリスク回避のための学習を促し、不安全状態や不安全行動の削減につながります。しかし現状ではヒヤリハット活動が活発に行われていないのではないでしょうか。これは組織やリーダーの問題にあると思っております。ミスや失敗・懸念を報告した時、「よくぞ報告してくれた」と褒めることが大切です。ある企業では「失敗褒章制度」で失敗の報告を喚起しています。これもまさしく組織が心理的安全性であるか否かなのです。間違いを伝える、失敗し報告する、助けを求める・・・これらの行動が組織の力の源泉になっております。
マインドセットを変える
安全面では、負けない活動(労働災害を発生させないよう活動)をする。これは意識的・無意識的であれ、マイナスの側面から身を守ろうとするマインドセットです。一方経営面では、勝つために活動(業績向上)するとプラスの側面にフォーカスしチャンス・機会を探し必然的にリスクをとるマインドセットになります。企業経営では負けないプレーでは成長し、革新を図り、より深く充実感を味わうチャンスを逃してしまいます。時と場合でメリハリのあるマインドセットの切り替えが必要です。
リーダーが最も重要
心理的安全性はリーダーの謙虚(状況的謙虚:自分の過ちや失敗を認める)さにより差が現れます。個人はなかなか変われないが、リーダーによる組織文化(心理的安全性)を変えることで個人は大きくかわれるといわれます。人や組織文化はリーダーに依存します。一方で人はミスする生き物で完璧ではありません。錯覚・錯誤も起こします。心理的な錯覚として認知的不協和がありますが、これは個人の持つ認知と他の認知との間に不一致・不調和があると、生じる不快感によって人は態度や行動を変容させる習性があります。権威者やポジションンが高い人ほど、この傾向が強く、失敗を認めない行動をすることがあります。ウクライナ侵攻をすぐ完了させると考えていた某大統領に見受けられます。
リーダーは、個人の面で、認知的不協和の錯覚に陥りやすい生き物であることを認識したうえで(メタ認知)、従業員が気兼ねなく発言できる風土をつくることが、組織の面で心理的安全性の醸成に寄与できることを認識しておくことが肝要ですね。
このセンテンスは、経営全般と安全専門に携わる私にとって非常に心地よい響きをもたらすものでありました。
経営の観点から
心理的安全性の醸成されている組織は、失敗を報告し合い、失敗から学習が促進され、多様性の活用と失敗を恐れず絶えず挑戦することでイノベーションが創出されます。一方で醸成されていない組織は、多くのミスや失敗が報告されず学習をされず衰退する組織になります。ここには発言するリスクが内在し沈黙する文化が形成されています。
つい最近ダイハツの品質不正が明らかになり、トヨタもトヨタブランドとしてダイハツにOEM委託していたため、トヨタ全体の責任とする記事が掲載されておりました。おそらくダイハツ社内からの内部告発で明らかになった事態であり、ダイハツにおいて、常日頃、従業員から疑問や懸念が報告されず(トップ・管理者が聞く耳を持たない)心理的安全性の欠如として内部告発という形で表れたと想定できます。トヨタの佐藤社長は会見で、「心理的安全性も含め検証したい」と申しております。
安全の観点から
ヒヤリハット報告による危険情報は、リスク情報の共有化とリスク回避のための学習を促し、不安全状態や不安全行動の削減につながります。しかし現状ではヒヤリハット活動が活発に行われていないのではないでしょうか。これは組織やリーダーの問題にあると思っております。ミスや失敗・懸念を報告した時、「よくぞ報告してくれた」と褒めることが大切です。ある企業では「失敗褒章制度」で失敗の報告を喚起しています。これもまさしく組織が心理的安全性であるか否かなのです。間違いを伝える、失敗し報告する、助けを求める・・・これらの行動が組織の力の源泉になっております。
マインドセットを変える
安全面では、負けない活動(労働災害を発生させないよう活動)をする。これは意識的・無意識的であれ、マイナスの側面から身を守ろうとするマインドセットです。一方経営面では、勝つために活動(業績向上)するとプラスの側面にフォーカスしチャンス・機会を探し必然的にリスクをとるマインドセットになります。企業経営では負けないプレーでは成長し、革新を図り、より深く充実感を味わうチャンスを逃してしまいます。時と場合でメリハリのあるマインドセットの切り替えが必要です。
リーダーが最も重要
心理的安全性はリーダーの謙虚(状況的謙虚:自分の過ちや失敗を認める)さにより差が現れます。個人はなかなか変われないが、リーダーによる組織文化(心理的安全性)を変えることで個人は大きくかわれるといわれます。人や組織文化はリーダーに依存します。一方で人はミスする生き物で完璧ではありません。錯覚・錯誤も起こします。心理的な錯覚として認知的不協和がありますが、これは個人の持つ認知と他の認知との間に不一致・不調和があると、生じる不快感によって人は態度や行動を変容させる習性があります。権威者やポジションンが高い人ほど、この傾向が強く、失敗を認めない行動をすることがあります。ウクライナ侵攻をすぐ完了させると考えていた某大統領に見受けられます。
リーダーは、個人の面で、認知的不協和の錯覚に陥りやすい生き物であることを認識したうえで(メタ認知)、従業員が気兼ねなく発言できる風土をつくることが、組織の面で心理的安全性の醸成に寄与できることを認識しておくことが肝要ですね。